「AIに文章の要約や作成を頼むと、なんだか妙に気取っていて、いかにも『AIが書きました』という独特のポエムっぽい言い回しになるよね…」
そんな風に感じたことはないでしょうか?
2026年9月、Anthropicが公式にこの問題を解決するためのプロンプトテクニックを公開し、AI界隈で話題になっています。
この記事では、一部で「Claude語(Claudese)」と呼ばれ忌み嫌われていた独特の文章の正体と、それを排除して簡潔でプロフェッショナルなテキストを生成するための具体的な工夫(Writing Density)について解説します。
そもそも「Claude語(Claudese)」とは何か?
AI開発者やユーザーのコミュニティにおいて、Claudeモデルが生成する特有の言い回しは「Claudese(クロード語)」というスラングで呼ばれてきました。代表的な例として、「a dial worth turning(回す価値のあるダイヤル)」や「worth stating plainly(率直に言う価値がある)」といった独特の比喩表現や、ダッシュ(—)の過剰な使用などが挙げられます。
汎用AIはユーザーに対して「丁寧でわかりやすく」説明しようとするあまり、不要な装飾や回りくどい表現(Mannered prose:気取った散文)を多用しがちです。しかし、実務で使うドキュメントにおいて、このような表現は単にノイズにしかなりません。この問題は、以前書いたAIへの適切な指示の難しさにも通じる部分があり、いかにAIの「癖」を抑え込むかが課題となっていました。

Anthropic公式が推奨する「Writing Density」の工夫
密度(Density)という考え方
今回、最新モデルであるClaude Fable 5.1向けの公式プロンプトエンジニアリングガイド内で明記されたのが、「Writing Density(文章の密度)」に関する対策です。ガイドでは、このClaudeseを「読者に労力を強いて、書き手がパフォーマンスするための文章(it makes the reader work harder so the writer can perform)」と辛口で定義し、明確なアンチパターンとしています。
どのようにプロンプトで制御するか
公式が推奨する解決策は非常にシンプルかつ強力です。システムプロンプトやユーザー指示の中で、明確に「mannered prose(装飾的な散文)を避け、直接的な表現(direct statements)を用いること」をルールとして組み込むのです。
「比喩を使わない」「回りくどい表現を避ける」と明示的に指示することで、AIは自身のデフォルトの出力スタイルを抑制し、無駄が削ぎ落とされた情報密度の高いテキストを生成するようになります。これにより、人間が書いたような自然で洗練されたドキュメントを得ることができます。
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エンジニアとしての実務活用シーン
エンジニアの実務において、このテクニックは非常に有用です。
例えば、技術仕様書、システム障害のインシデント報告書、上司やクライアントへ提出する週次レポートなどをAIに下書きさせる場面を想像してください。ここにAI特有の「ポエムのような装飾表現」が混じると、一気にドキュメントの信頼性が損なわれますし、レビューして修正する手間も増えてしまいます。
普段使っている社内ツールや自動化スクリプトのシステムプロンプトに、この「Claude語排除(Writing Density向上)」の一文を標準で組み込んでおくだけで、実務でそのまま使えるレベルの硬派なドキュメントがワンショットで出力されるようになります。
今後の展望・著者の所感
今後、モデル自体の推論能力が洗練されていく一方で、「AIごとの癖」をプロンプトエンジニアリングによっていかに消し去り、目的のユースケースに最適化するかのノウハウは引き続き重要になるでしょう。
個人的には、Anthropic自身がこうしたコミュニティ発祥のスラング(Claudese)を真摯に受け止め、公式のプロンプトガイドで堂々と「自社のAIの癖を消す方法」を公開してきたスピード感とオープンな姿勢に驚いています。
まとめ
今回は、Claude特有の言い回し「Claudese」を排除する公式のプロンプトテクニックについて解説しました。
- Claude特有の気取った言い回し(Claudese)は実務ではノイズになる。
- 公式は「mannered prose」をアンチパターンとし、「Writing Density(密度)」を高めることを推奨している。
- プロンプト内で「装飾的な散文を避け、直接的な表現を使う」と指示するだけで劇的に改善する。
- 仕様書やレポート作成時のシステムプロンプトに標準で組み込むのがおすすめ。
AIの生成する文章が「いかにもAIっぽい」と悩んでいた方は、ぜひこの公式推奨のアプローチを日々のプロンプトに取り入れてみてください。
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